50代からの転職は難しい?成功させるコツやおすすめの業界を解説

公開:2025/01/26 更新:2025/01/26
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「新たなキャリアを築きたい」「これまでとは違った仕事をしてみたい」と考えても、50代からの転職に難しさや不安を感じる方は多いでしょう。


近年では50代からの転職を望む方は増えているものの、実際には難しい側面もあるといわれています。しかし、いくつかのコツを抑えれば転職の成功が望めるでしょう。本記事では、50代からの転職を成功させるためのコツや転職しやすい業界を紹介します。

50代からの転職は可能なのか


結論からいうと、50代からの転職は難しい側面もありますが可能です。50代での転職は、それまでに培った経験やスキルを強みとして、転職活動を優位に進めていけるのがメリットでしょう。

一方で20代・30代より求人の数が少ないなど、50代ならではの難しさがあるのも事実です。

50代からの転職を選ぶ方は増えている


総務省の労働力調査によると、2014〜2023年の10年間で45〜54歳の転職者は41万人から57万人に、55〜64歳の転職者は40万人から50万人に増加しています。また2023年の45〜54歳における転職者比率は2014年と比べると3.0%から3.5%、55~64歳の転職者比率は3.5%から4.0%に上がっています。

50代の転職者が増加しているのは、50代からのキャリアチェンジを望む方の増加や、人手不足による企業の採用増などが理由です。それだけでなく、介護や病気療養等によるライフスタイルの変化で転職を選ぶ方も多いでしょう。

キャリアや経験を積んできている50代への注目は以前よりも高まっており、転職のチャンスもアップしていると考えられます。

男女による違いもある


転職には、性別による違いもあります。2022年の男女共同参画白書を見ると、45〜54歳の非正規雇用割合は男性が8.6%なのに対し、女性は54.9%と多くなっています。女性の場合は非正規雇用労働者の割合が多く、求人も女性は非正規雇用やパートタイムが多い傾向にあるようです。

男性は、職場でのマネジメント経験などが評価され、転職においても良好なポジションを獲得しやすいといわれています。対して女性は家庭との両立がしやすい環境を望む場合が多く、非正規雇用の割合が高くなる傾向があります。

50代からの転職が難しい理由


50代からの転職は、若い世代よりも難しいと一般的にはいわれています。その理由として3つのポイントを解説します。

求める給与や待遇のギャップ


50代以降になると、前職で役職についていたり高額な給与を得ていたりする方が多いでしょう。転職の際も、これまでと同等やそれ以上の給与・待遇を望むのは自然といえます。

しかし、50代からの転職では、求める給与や待遇について転職者と企業の間にギャップが生じて、上手く転職活動が進まないケースもあるようです。給与が大きく下がったり、望み通りのポストを得られなかったりして、転職に悩む50代の方も少なくありません。


求人が少ない


50代が応募できる求人は、20〜30代の求人よりも少ない傾向があります。若い世代を採用したほうが時間をかけて社員を育成でき、長く就業してもらえると企業側が考えているためです。

加えて50代ともなると、「仕事のやり方にこだわりがありそう」「プライドが高い」など扱いにくい印象を持たれやすいかもしれません。数少ない求人のなかから、自分に合った企業を確実に見つけ出す工夫が必要といえます。

年齢による体力や記憶力の低下


50代になるとさまざまな体の不調が出てくるのも否めません。転職をすると慣れない仕事で体力を使うほか、新しいことを覚える記憶力も必要です。しかし、思ったように体がついていかずもどかしい気持ちになるかもしれません。

企業側が、体力や記憶力が低下した50代を採用するのはリスクが大きいと判断する可能性もあります。職種にもよりますが、年齢による変化はネガティブに捉えられやすいといえるでしょう。

50代からの転職を成功させるためのコツ


では、50代からの転職を成功させるにはどうすればいいのでしょうか。本章では5つのコツについて解説します。

これまでの経験やスキルを洗い出す


まず、これまでに得た経験やスキル、キャリアを洗い出してみましょう。自分は何ができるのか、どのようなことに興味があるのかが明確になり、転職先を考える際に役立ちます。自分にどのような強みがあるかを把握しておけば、採用時のアピールもしやすいでしょう。あらかじめできることを把握しておけば、転職先とのミスマッチも防げます。

自身のスキルやキャリアを活かせる企業を選ぶ


スキルやキャリアを洗い出したら、それらを活かせる企業を中心に転職先を探しましょう。過去に関わりがあった業界や職種など、接点があればアピールもしやすいでしょう。

これまでと全く違った職種にチャレンジする場合でも、持っているスキルをどのように活かせるのかを上手くアピールできれば、採用確率も上がります。

企業が何を求めているかを理解する


企業が50代の転職希望者に求める能力には、長年培ってきた豊富な経験や仕事に役立つスキル、高いコミュニケーション能力などが挙げられます。これらは若い世代にはない、50代ならではの強みといえます。

企業が求めている能力やスキルをよく見極め、志望動機や自己PRにつなげるようにするとよいでしょう。

年収やポジションにこだわりすぎない


転職先に、転職前と同じ水準の給与などを求めると、なかなか成功しない可能性が高くなります

新人として一から始めるつもりで、ある程度給与やポジションがダウンするのを受け入れる覚悟も必要でしょう。転職時は給与がダウンしたとしても、そのあとの評価次第で給与アップが期待できるかもしれません。給与やポジションにこだわりすぎず、柔軟に転職先を探すとよいでしょう。

人脈を活用する


仕事やプライベートなど、これまでに得た幅広い人脈を活かすのも一つの方法です。知人に転職の意志を伝えたり、紹介を依頼したりすると転職活動がよりスムーズに進む可能性もあります。

社員が転職希望者を紹介する「リファラル採用」を取り入れる企業もあるため、興味がある業界や企業に知り合いがいないか確認してみるのもよいでしょう。転職先に詳しい方がいればより詳しい情報収集ができ、転職後のミスマッチを防ぎやすい効果もあります。

50代からの転職に向いている業界5選


50代からの転職は、前述したとおり自身のスキルやキャリアを活かせる仕事の選択が成功の近道です。


一方で、急成長しているなどの理由から人材を求めている業界にターゲットを絞るのも一つの手といえます。そこで、50代からの転職に向いている業界を5つ紹介します。


介護業界


介護の仕事は未経験・無資格でも始められるものが多いのがメリットです。高齢者が介護サービスを利用するときの相談に乗ったり、食事や排泄の介助を行ったりするのが主な仕事です。困っている方を助ける仕事であり、やりがいも大きいでしょう。


関連記事:【空港介護士とは?】具体的な仕事内容や活躍場所について徹底解説


IT業界

AIの発展や企業のDX化の進行など、IT業界の需要は高まっています。そのためIT系人材は重宝される傾向があり、知識がある50代の採用は増加しているようです。


これまでに自社のWebサイト作成などの業務を担当していた、IT系の知識や技術に自信がある方はIT業界への転職を検討してみるとよいでしょう。


運送業界

ネットショッピングが当たり前になった昨今、運送業界はインフラとしての需要が高く、今後も伸びていく可能性が高い業界といえるでしょう。


トラックドライバーやバスやタクシーの運転手などは年齢が高くなっても転職しやすく、求人も多くあります。車の運転が苦でない方に向いている仕事でしょう。


関連記事:シニアドライバーは活躍できる?ドライバーの種類や求人について解説


サービス業界

対面もしくはインターネットを通じて形のないサービスを提供するサービス業は、50代でも転職先が探しやすい業界です。


IT技術の発展により、人の代わりにAIやロボットが対応する場面も増えています。しかし、状況に合わせて対応できるのは人ならではの強みであり、今後も仕事がなくなることはないと考えられます。


関連記事:シニアのコンビニバイトは難しくない?仕事内容やメリットをご紹介


コンサルティング業界

コンサルティングは、クライアント企業の課題を解決する仕事がメインです。これまでの知識や経験を活かして働けるため、経験豊富な50代に向いています。


特定の業務や業界を専門とする特化型コンサルティングファームなら、前職で学んだ知識や経験が評価されやすいでしょう。


50代からの転職先の探し方


50代で転職をする場合、効率的な転職先の探し方に悩むかもしれません。転職先の探し方として4つの方法を紹介します。

ハローワーク


ハローワーク(公共職業安定所)は、求人数が多く職種も多岐に渡っている点が特徴です。ただ、備え付けられたパソコンを使用して自ら仕事を探す必要はあります。

求人掲載基準として労働基準法違反の企業は掲載していないため、ブラック企業に当たってしまう可能性が低いのもメリットです。

転職サイト

転職サイトは希望条件に合った求人を検索できるだけでなく、登録したプロフィールを見た会社からのオファーを受けられる機能もあり、就職先の選択肢が広がる可能性もあります。

シニア向けなど特定の世代に特化したサイトを活用すれば、より仕事が見つけやすいでしょう。

転職エージェント


転職エージェントは、アドバイザーが相談者に合った仕事を個別に紹介してくれるサービスです。転職サイトに掲載されていない非公開求人の紹介や、応募書類の添削など転職活動をサポートしてくれるのがメリットです。

ただ、エージェントによって得意分野が異なるため、自分に合ったエージェントを見極める必要があります。

知人からの紹介


知人に紹介を依頼する方法もあります。興味のある企業に知り合いがいれば、より詳しく企業の情報を把握できるでしょう。

しかし、知人だからといって無理なお願いはしないよう注意が必要です。

正社員以外の働き方もある


これまで正社員で働いてきた場合、転職先でも正社員として採用されることを望む方は多いでしょう。しかし、働き方は正社員に限りません。正社員以外の働き方も視野に入れると選択肢の幅が広がります。

パート・アルバイト


パートやアルバイトは、自分の希望に合わせて働く時間を決めやすいメリットがあります。介護や病気療養など、時間の制限がある場合でも働きやすいでしょう。収入は正社員よりダウンする可能性が高いですが、働くうえでの自由度は上がるといえます。

派遣社員


派遣社員であれば決まった曜日・時間に働けて残業もありません。また派遣の時給はスキルや経験により変動するため、実務経験が豊富な50代なら、高時給の仕事にも就きやすいと考えられます。

個人事業主


これまでに培った経験やスキルを活かして、個人事業主として起業するのも一つの手です。資金繰りなどを慎重に検討する必要はありますが、やりたい仕事を自由にデザインできるのが大きな魅力といえるでしょう。

まとめ


50代からの転職は求人の少なさなど難しい側面があるものの、事前の準備を怠らなければ希望のキャリアを得られる可能性は高いでしょう。満足のいくキャリアを築くためにも、恐れず一歩踏み出す勇気が成功の近道といえます。

ミドルシニアである50代なら「シニア専門求人」での仕事探しがおすすめです。



【Q&A】

Q1.50代からでも転職はできる?
A1:難しい側面もありますが可能です。50代での転職は、それまでに培った経験やスキルを強みとして、転職活動を優位に進めていけるのがメリットです。一方で、若い世代よりも求人の数が少ないなど、50代ならではの難しさもあります。


Q2.50代からの転職を成功させるためのコツは?
A2:まず、これまでの経験やスキルを洗い出し、自分にできることや興味があることを把握しておきましょう。転職先は、それらを活かせる企業を選ぶと成功しやすくなります。転職の際はこれまでの年収やポジションにこだわりすぎず、柔軟な視点で転職先を選ぶことも大切です。

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