年収500万円の生活レベルは?老後を見据えたやりくり術を紹介

公開:2024/12/31 更新:2024/12/31
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老後の暮らしを目前にし、必要な費用がどれくらいか考えていくなかで、年収500万円の暮らしがどのようなものか気になる方も多いでしょう。


定年退職を迎えたあとのライフスタイルは家庭や個人の事情によりさまざまです。年収500万円をもらっている方はどのくらいいるのでしょうか。また、年収500万円の生活レベルにおいて、具体的な手取り金額や支出額についても確認しておきたいものです。


本記事では、年収500万円の生活レベルがどのようなものか、具体的な手取りやシニア層の支出額について触れながら解説していきます。老後を見据えたやりくり術もご紹介いたします。

年収500万円は平均的?50代以上の平均年収を確認


令和5年度民間給与実態統計調査によると、令和5年度の平均給与は、男性569万円(同0.9%増)、女性316万円(同0.7%増)であると発表されています。以下の表を見てみましょう。


参照:令和5年度民間給与実体統計調査

特に、男性では60 歳未満までは年齢が高くなるにしたがって平均給与も高くなり、55〜59 歳の階層(712万円)が最も高くなっていると発表されています。


参照:令和5年度民間給与実体統計調査

年収はそれぞれの取り巻く環境によって、状況は変わってきます。

男性は50代を超えると勤続年数によって会社から高く評価され、役職に就く方もいるでしょう。定年に近づくにつれて平均給与も上がり、50代を超えると年収500万円は平均的であるといえます。

一方で、女性の平均年収は300万円台と、年収500万円に到達している方は少ないです。ライフスタイルの変化により、やむなく仕事を離脱した方も多くいる影響と考えられるでしょう。

年収500万円から差し引かれる税額は?


家族構成によっても異なりますが、基本的に手取り金額は年収の75%から85%程度といわれています。

年収500万円の場合、手取り金額は、おおよそ375〜425万円であると想定されます。1ヶ月あたりに換算すると31〜35万円のイメージです。

では、実際にどれくらいの税金が差し引かれ、手取り金額を確認できるのでしょうか。

  • 所得税
  • 住民税
  • 厚生年金や健康保険料など社会保険料

一つずつ、確認していきましょう。

所得税


所得税は、1年間の個人の所得に対してかかる税金を指します。給与年間で受け取った給与の総額となる額面年収から、さまざまな所得控除を引いた金額に対して課税されるものです。

所得税の算出方法は以下の通りです。

所得税額={(総収入額−給与所得控除−所得控除)×税率}−控除額
 
例えば、年収500万円・給与所得控除が144万円・所得控除が118万円・税率が10%・控除額9万7,500円となる場合、計算式は下記の通りです。

 {(500万円−144万円−118万円)×10%}−9万7,500円=14万円

よって、年収500万円の方は、年間計14万円の所得税が差し引かれると想定されます。

1ヶ月あたりに換算すると、1万円程度といえるでしょう。

住民税

住民税とは、居住地(都道府県・市区町村)に納める税金を指します。

納められた住民税は、社会福祉やゴミ処理など住民の日常生活に欠かせない、さまざまな行政サービスとして使用されています。 住民税の算出方法は以下の通りです。

住民税=課税所得×住民税率(10%)

住民税の計算に用いられる「課税所得」は、1年間の所得から社会保険料や医療費控除、生命保険控除等の所得控除を引いた額として計算されます。年収500万円の場合、課税所得が237万円と仮定すると以下の通りです。

住民税=237万円×10%=約24万円

よって、1ヶ月あたり約2万円の住民税が差し引かれると想定されるでしょう。

厚生年金や健康保険料など社会保険料


社会保険料とは、会社に勤めている方を対象に一定の条件を満たした非正規社員に加入が、義務付けられている公的保険を指します。

算出方法は以下の通りです。

  • 厚生年金保険料=年収×18.3%÷2
  • 健康保険料=年収×健康保険料の保険料率÷2

年収500万円、東京都在住の場合

  • 厚生年金保険=500万円×18.3%×÷2=約45万円
  • 健康保険料=500万円×9.98%(東京都の税率)÷2=約25万円

 1ヶ月あたり、厚生年金約3万7,000円、健康保険約2万円が差し引かれると想定されます。

加えて、国民健康保険は加入者が増えると保険料が上がるため、加入者の数を改めて確認しておきましょう。無収入の子どもに対しても保険料がかかり、均等割はひとりあたり約4〜8万円といわれています。

さらに、40歳以上は介護保険料を支払う必要があり、全国一律の介護保険料率(1.60%)が加わります。

生活レベルはどれくらい?シニアの支出を確認


では、実際65歳以上の暮らしはどのようなものでしょうか。家族構成により支出は大きく変化いたします。安定した生活を築くためにも実際の支出金額をイメージしておきたいものです。

ここでは、令和5年度家計調査年報の調査に基づいて、以下の2つに分けて解説していきます。

  • 65歳以上の夫婦世帯
  • 65歳以上の単身世帯

一つずつ、みていきましょう。

65歳以上の夫婦世帯


令和5年度家計調査報告によると、65歳以上の夫婦世帯の平均支出額は250,959円であると発表されています。以下の表を見てみましょう。



この場合、収入源が年金である要因も大きく影響していますが、65歳以上の平均的な収入よりも支出の金額が少し上回っていることが分かります。

また、近年の物価高騰により、今後も支出金額が高くなると予想されます。最低限の資金に加え、子どもや孫など、親戚への資金に潤いを与えるためにも、働けるうちに年収500万円の生活で余裕を持たせておきましょう。

65歳以上の単身世帯


次に、65歳以上の単身世帯の支出額を確認していきましょう。

令和5年度家計調査報告によると、65歳以上の単身世帯の平均支出額は145,430円であると発表されています。



単身世帯とあっても、死別や離別、独身家庭などさまざまな家族構成が想定されるため、支出のパターンも多く見られます。加えて、光熱費や食費などの固定費のほか、夫婦家庭同様子どもや孫など親戚への費用も用意しておきたいものです。

単身家庭の場合、抱える支出の金額をひとりで担う責任も大きくなります。いざという時のために生活イメージを整え、働けるうちに年収500万円の生活を目指すことが大切でしょう。

年収500万円家庭の生活費やりくり術


では、実際に年収500万円家庭では、どのように生活費をやりくりしているのでしょうか。老後に備えた生活に向けて、無理なくはじめられる生活術を身につけていきたいところです。

ここでは、今からでもはじめられる生活術について、以下の3点をピックアップし、ご紹介いたします。

  • 収入額と支出額の把握
  • 光熱費や保険などの固定費を再度確認
  • 食費の管理

一つずつ、みていきましょう。

収入額と支出額の把握


老後に向け、余裕のある暮らしをおくるために、まずは毎月の収入と支出額を把握しておきましょう。

毎月の収入がどれくらいあるのか、支出の内訳について、簡単なメモでもかまいませんのではじめてみましょう。近年では家計簿の種類も豊富に用意されています。また、スマートフォンアプリを用いて、レシートの管理などで簡単に行える家計簿など、空いた時間を活用して使用できるものも多くあります。グラフ化して管理することにより、毎月の家計を把握できるので、貯蓄分なども考えながらイメージができるでしょう。

光熱費や保険などの固定費を再度確認


光熱費や保険など、毎月の固定費を再度見直してみるのも一つの手段です。

まずは、年齢に応じた保険をこの機会に見直してみましょう。内容が重複した保険に入っているケースも珍しくありません。契約プランなども含め、具体的な金額を算出していくことで、収支イメージがより具体的になるでしょう。

携帯電話料金も改めて確認しましょう。格安スマホに乗り換えると、大きく節約できる可能性があります。インターネットの活用が少なければ、格安スマホでも充分まかなえるでしょう。

ほかにも、光熱費や水道料金を安くするためにセット割がある会社など、さまざまな手段があります。使用した分だけポイントで還元されるポイ活なども挑戦しながら、お得なサービスも活用していきましょう。

食費の管理


家族構成にもよりますが、食費を調整していきましょう。なるべく自炊をして外食を最低限にすると、貯蓄に回せます。

過度な節約意識は必要ありませんが、作り置きのおかずを何点か常備しておくだけで無駄を省けますし、料理の楽しみも出てくるでしょう。近年では、時短レシピや節約レシピなどをSNSで簡単に見つけられる時代です。自分のやり方に合った料理法が見つかるかもしれません。

本屋に行くと多くの種類の料理本が店頭に多く並んでいます。料理初心者でも、自炊に力を入れることによって毎日の楽しみが増え、生活に彩りを加えられるでしょう。

年収500万円を目指すためには?


年収500万円を目指すためには、どのような手段が考えられるのでしょうか。

今現在の収入に満足できない方は、思い切って転職を考えるのも一つです。今まで培った知識や技術を発揮して、あなたらしく活躍できる場面がきっとあるはずです。

また、副業が可能な環境であれば、今の生活にプラスの収入を得て、生活レベルを上げていく手段もあります。そのためにも、求人サイトを活用し、空いた時間で、新しい仕事を探すのもいいでしょう。

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まとめ


年収500万円の生活レベルはどのようなものか、実際の支出金額や、老後を見据えた生活費のやりくり術をご紹介しました。

【PR市場】では、シニアが活躍する求人を多く公開しています。老後の生活をイメージしながら、生活に余裕をもたせる仕事はどのようなものがあるのでしょうか。今からでも遅くありません。今まで培った知識や技術を生かして、豊かな老後に向けて新たなスタートを切りましょう。


【Q&A】

Q1:年収500万円の場合、差し引かれる税金は年間どれくらいでしょうか。

A1:平均的には所得税約14万円、住民税約24万円、厚生年金保険約45万円、健康保険料約25万円の計108万円年間差し引かれます。勤続年数や住んでいる地域によって多少変動はありますが、手取り金額は年収の75%から85%程度です。

Q2:年収500万円の生活レベルを保つために、心がけておくポイントはありますか。

A2:老後を見据えた暮らしをおくるために、まずは毎月の収入と支出額を把握しておきましょう。そのなかで、光熱費や保険など、毎月の固定費を再度見直してみるのも一つの手段です。また、なるべく自炊をするなど、食費を調整することで生活の見直しもできるでしょう。
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