雇用保険被保険者証とは?もらってない場合でも転職できるのか解説

公開:2025/03/29 更新:2025/03/29
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転職に向けて離職手続きを行うなかで、雇用保険被保険者証がなく、転職先への手続きが不安な思いを抱えている方もいるでしょう。


雇用保険の仕組みは複雑で、転職して初めて被保険者証の存在を知る方も多くいます。転職先で提出を求められたものの、手続きの流れがわからなく、どうしたらいいか悩んでしまうものです。


本記事では、雇用保険の加入条件や被保険者証の受け取りのタイミング、持ってない場合でも転職先で手続きができるのかについて、解説します。

雇用保険被保険証とは?


雇用保険被保険者証とは、雇用保険に加入していることを示す証明書です。雇用保険に新規加入した際に発行されます。


最初に雇用保険に加入した事業所が発行し、退職時に渡すことがほとんどなので、退職経験がない方にはなじみのない書類でしょう。


雇用保険被保険者証には、氏名・生年月日の基本データに加え、被保険者番号といわれる管理番号・資格取得日・事業所名が記載されています。以下のようなイメージです。


被保険者番号とは、雇用保険加入の際に割り振られる11桁(4桁・6桁・1桁)の番号です。被保険者一人につき一つの被保険者番号が付与され、取得年月日から加入経験のある事業所の所属年数まで管理されています。

雇用保険被保険者証はいつ受け取れる?転職に必要?


では、雇用保険被保険者証はどのタイミングで受け取れるものなのでしょうか。

基本的には、離職予定などがなくとも、会社に申し出れば原則いつでも受け取れます。しかし、退職予定がないと雇用保険被保険者証がどのようなものであるのか、知らない方がほとんどです。

会社で保管されている場合、退職手続きの際に、源泉徴収票や離職証明書と合わせて手渡されるケースが多いでしょう。

転職するにあたって、雇用保険の継続が必要な場合は、被保険者証の提出を求められる場面が多くあります。初めての転職の場合は聞きなじみがなく、どの書類か困惑する場面も少なくありません。

退職時は配布書類が多く、書類の確認に時間もかかります。誤って捨ててしまわないように、書類の確認は念入りに行っておきましょう。

雇用保険被保険者証がない場合もある?


では、実際退職手続きをしていくうえで、雇用保険被保険者証が手元にない場合もあるのでしょうか。フルタイムで勤務していたから雇用保険に加入していたはず、と思っている方も多くいるでしょう。

ここでは、雇用保険加入条件を確認し、雇用保険対象外の項目も踏まえて、被保険者証がないケースを2点解説します。
  • 雇用保険に加入していなかった
  • 前職が公務員やフリーランス・会社役員だった

一つずつ、みていきましょう。


雇用保険に加入していなかった

まずは、過去の職歴で雇用保険に加入していなかったケースが考えられます。


ハローワークによると、雇用保険の加入条件として、以下の2項目が挙げられます。


  • 1週間の所定労働時間が20時間以上である
  • 31日以上の雇用が見込まれる

扶養控除内のアルバイト・パートで働いていた方や、今まで学生だった方が考えられます。この条件に満たない場合は雇用保険に加入できず、雇用保険被保険者証はありません。


退職後手元に書類がない方は、過去の働き方を一度確認し、自分の働き方は雇用保険に加入していたのか確認してみましょう。退職時の手続き書類を再度確認してみましょう。


前職が公務員やフリーランス・会社役員だった

雇用保険の加入条件は先述の通りですが、もう一点、公務員やフリーランス・会社役員だった可能性が考えられます。


雇用保険法にて、公務員は雇用保険に加入できないと定められています。そのため、雇用保険に加入していないので、雇用保険被保険者証は受け取れません。退職時には、雇用保険被保険者証も離職票も渡されず、退職時には「国家公務員退職票」という書類が渡されます。


また、公務員だった方は、転職先でその旨を伝えるだけで、雇用保険の加入手続きを進められるでしょう。


仮に、個人事業主などのフリーランスや会社役員の場合も、雇用保険の適用から外れます。その旨も転職の際に伝えるようにしましょう。


雇用保険被保険者証をもらってない場合の対処法は?


では、実際に雇用保険被保険者証が手元にない・もらっていない場合、どのような対処法があるのでしょうか。提出が必要な場面があると不安を抱えてしまう方も少なくありません。

ここでは、雇用保険被保険者証をもらっていない場合、再度入手する方法について、3点ピックアップして解説していきます。

  • 再発行を依頼する
  • 電子申請を行う
  • 郵送や代理人申請で対応する
それぞれ、みていきましょう。

再発行を依頼する

雇用保険被保険者証は、ハローワークで再発行手続きができます。マイナンバーカードや免許証など、顔写真入りの本人確認ができるものを持参し、窓口で手続きすると、時間もかからずに再発行可能です。

先述にもありましたように、氏名や生年月日・過去の事業所を伝えることで被保険者番号が照会されます。わかる範囲の情報をもとに、雇用保険被保険者証再交付申請書に必要事項を記載し、窓口にて手続きが必要です。

申請書は、窓口で直接記入も可能ですが、時間を短縮させたい方は、ハローワーク公式ホームページでもダウンロードできます。効率よく再発行依頼したい方は、ダウンロードし、書類の記入を進めましょう。

電子申請を行う

ハローワークに行くと再発行手続きができますが、時間が取れず、対面が難しい方も多くいるでしょう。

そのような方には、Webによる申請も主な手続きの一つです。e-GoVを活用して、24時間365日サービスを受け付けています。

手数料は発生しませんが、e-Gov電子申請アプリのインストールが必要です。そのうえで、e-Govのアカウント登録と電子署名の取得、再交付の申請がスムーズに行えます。

取得手順は以下の通りです。

  • e-Gov電子申請システムにアクセス
  • 状況照会画面で「到達番号」と「問合せ番号」を入力、照会ボタン押す
  • 「公文書一覧」にて、「取得」押す
  • ダウンロードメッセージ画面にて「OK」押す
このように、アプリをダウンロードするだけで、非常にスムーズに作業できるため、多忙な方におすすめの申請方法の一つです。

郵送や代理人申請で対応する

雇用保険被保険者証の再発行は、ハローワークやWeb申請ができるとわかりました。しかし、窓口に行くのも難しいうえ、Web申請も複雑で苦手な方もいるでしょう。

どちらも難しい場合には、郵送や代理人申請を通じての再発行手続きが可能です。

郵送の場合は、マイナンバーや必要事項を記入した用紙と返信用封筒を同封のうえ、管轄のハローワークに提出します。個人情報が含まれるため、普通郵便は避けて、簡易書留などを活用してください。

郵送手続きにはおおむね2週間程度時間がかかります。日程に余裕のあるときを確認して手続きが必要です。

代理人申請は委任状と代理人・申請者の本人確認書類をそろえたうえで、窓口で手続きしましょう。

転職するにあたり雇用保険被保険者証は必要?提出場面は?


ここまで、雇用保険被保険者証の再発行について解説いたしました。

では実際、転職するにあたって、本当に提出が必要な書類なのでしょうか。

結論、被保険者番号の確認のために提出が必要なだけであり、雇用保険被保険者証がない場合でも転職の手続きは可能です。

雇用保険被保険者証は、転職後の事業所で雇用保険加入の手続きをするときに必要です。しかし、先述にもありましたように、氏名や生年月日、過去に所属した事業所と年数などを伝えるとスムーズに手続きが行えます。雇用保険被保険者証がなくても、必要事項が確認できれば再発行が可能です。

ただし、離職から氏名が変わった場合は、変更後の氏名が確認できる書類とともに提出が必要のため、注意しましょう。

雇用保険被保険者証を受け取る際の留意点は?


では、雇用保険被保険者証を受け取る際、どのような点に注意が必要なのでしょうか。受け取り期限や必要書類など気をつけるべき点を確認しておきたいところです。
雇用保険被保険者証を受け取る際の留意点について、2点をピックアップして解説します。

  • 退職後7年以上経過していると再発行できない
  • 代替書類での対応も可能
それぞれの項目について、確認していきましょう。

退職後7年以上経過していると再発行できない

雇用保険被保険者証は、ハローワークで再発行手配ができるとわかりましたが、前回の退職から7年以上経過している場合は、雇用保険被保険者証は再発行できません。これは、ハローワークの雇用保険のデータが7年経過すると削除されるためです。

ただし、以前の雇用保険被保険者証を持っている場合は、同じ雇用番号で雇用保険被保険者証を発行できますので、一度過去の資料を探してください。もし手元に残っていれば一度ハローワークに行き、再発行手続きを行いましょう。

それでも過去のものがない場合は、新たに被保険者番号を取得する必要があります。
転職先の会社から加入申請をする必要があるため、前回の退職から7年超過していたら、その旨を転職先に伝えましょう。

代替書類での対応も可能

雇用保険の加入手続きに、雇用保険被保険者証は必ずしも必要ではありません

基本的には、雇用保険被保険者証を用いて転職手続きが行われる一方、雇用保険被保険者証の再発行は、ハローワークや電子申請等でスムーズに行えます。氏名や以前勤務していた事業所名と勤務期間を明記すると手続きできるため、離職票でも対応は可能です。

しかし、転職後の企業との信頼面も鑑み、手元にない場合は一度以前の事業所に問い合わせてみましょう。それでも受け取りが難しい場合は、ハローワークやWebなどで再発行手続きを行うのが、今後の信頼関係を築き上げる第一歩ではないでしょうか。

まとめ


雇用保険被保険者証をもらってない場合でも転職できるのか、転職先での必要性や再発行の手続きに関して解説いたしました。再発行が難しい場合でもWebや代理人申請を通じて簡単に再発行できるので、スムーズに転職先での雇用保険加入の手続きが行えます。

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転職が決まった際は、退職の際に雇用保険被保険者証が手元にあるか確認し、本記事を参考に、転職先へ雇用保険の手続きを依頼しましょう。



【Q&A】
Q1.雇用保険被保険者証が手元にない場合、どうしたらいいのでしょうか。
A1.ハローワークに行くと再発行手続きが可能です。顔写真入りの身分証明書を持参するとスムーズに手続きが完了します。ほかにも、電子申請や郵送、代理人申請でも対応しています。

Q2. 転職するにあたり雇用保険被保険者証は必ず提出しないといけないのでしょうか?
A2.雇用保険被保険者証は、転職先の会社で雇用保険加入の手続きをするときに使用しますが、被保険者番号の確認のために提出が必要なだけであり、雇用保険被保険者証がなくても転職の手続きは可能です。よって、手元にない場合は提出しなくて大丈夫です。以前勤めていた会社に相談しましょう。

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