働くシニアが覚えておくべき制度やイチオシの職種、求職方法を紹介!
2024年8月現在では、高齢者の方も多く働いているので、安心して求職活動ができます。しかし、実際にどうやって高齢者の方が求職活動をすればよいのか不安を感じている方もいますよね。
本記事では、シニアの年代にイチオシの職種や求人の探し方を紹介します。60歳以上で求職活動をしている方は、ぜひ参考にしてください。
働くシニア就業者の雇用形態
パーソル総合研究所の「働く10,000人の成長実態2023」によると、2017年から2023年にかけて労働形態に変化がみられています。例えば、2017年時点で60〜64歳の正社員割合が28%だったのに対し、2023年では33.4%と5.4%も増加しています。
一方、2017年時点で60〜64歳の自営業割合が16%でしたが、2023年では9%になっており、時代が経過するとともに安定を求める就業者が増加しているのでしょう。では、なぜシニア世代は正社員として働いている方が多いのでしょうか。
2023年の調査では、60歳以降に転職した人の18.3%の割合が給与に不満を感じていることが明らかになっています。定年後に企業が再雇用すると給与が低下する場合が多く、給与が低くなり不満に感じた転職者が増加しているのです。
参照:パーソル総合研究所「働く10,000人の成長実態2023」
働くシニア世代が働き始めたら知っておくべき用語
シニア世代が働き始めた場合であっても、稼ぐ金額が一定額を超えなければ年金の受給が可能です。もし、賃金と年金の合計金額が65歳以上の場合は47万円を超えた場合にのみ、年金の一部停止もしくは全額停止になります。
参照:日本年金機構「令和4年4月から年金制度が改正されました」
ここからは、働くシニア世代が実際に働き始めたら知っておくべき用語を6つ紹介します。それぞれの用語の意味を理解したうえで、実際に働き始めましょう。
社会保険
社会保険とは、国民の疾病や老齢、失業などに対して保証する公的な保証制度です。社会保険制度は、以下のすべての条件を満たすと加入条件が発生します
- 1週間あたりの所定労働時間が20時間以上30時間未満であること
- 1ヶ月あたりの所定内賃金が8万8,000円以上であること
- 雇用期間の見込みが2ヶ月以上あること
- 学生ではないこと
参照:厚生労働省「社会保険適用拡大 対象となる事業所・従業員について」
上記の条件を確認し、自分が社会保険の加入条件を満たしている場合は加入手続きをしてください。
雇用保険
雇用保険とは、雇用の安定もしくは就職の促進を目的にして失業者や教育訓練を受ける方に対して支給される保険制度です。65歳以上の労働者が雇用保険に加入するためには、下記の適用要件を満たす必要があります。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
- 31日以上の雇用見込みがあること
参照:厚生労働省「雇用保険の加入手続きはきちんとなされていますか?」
雇用保険に加入した状態で退職すると、退職後に失業保険が給付されます。雇用保険を活用し、貰える給付金は受け取りましょう。
配偶者特別控除
配偶者特別控除とは、納税者本人と配偶者が以下の条件を満たす場合にのみ適用される控除制度です。
・納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であること
・民法の規定で定められた配偶者であること
・納税者本人と生計を同一にしていること
・白色申告もしくは青色申告の専業事業者ではないこと
・年間の合計所得金額が48〜76万円未満であること
参照:国税庁「配偶者特別控除」
配偶者特別控除を活用すれば定められた金額を所得から差し引けるため、節税効果が得られます。
確定申告不要制度
確定申告とは、1年間の所得から納めるべき所得税の金額を計算して国に報告する手続きです。ただ、以下の条件を満たした場合は確定申告をする必要はありません。
- 公的年金などの収入が合計400万円以下
- 公的年金などにかかる雑所得以外の所得合計が20万円以下
毎年1月から2月までに郵送される公的年金等の源泉徴収票の記載をチェックすれば、自分に確定申告が必要なのかが分かるので、確認してください。
在職老齢年金
在職老齢年金とは、仕事をして厚生年金に加入している場合に年齢と合計額に応じて年金が減額もしくは停止される制度です。在職老齢年金は厚生年金に加入している必要があるので、会社勤めの人のみ入る必要があります。
在職老齢年金を活用すれば、働かなくても半永久的に収入を得続けることが可能です。もし、年金の月額と賃金が月47万円を超えてしまった場合は、(年金の月額-賃金-48万円)÷2で計算した金額の支給が停止されてしまうため、事前に把握しておきましょう。
老齢厚生年金
老齢厚生年金とは、会社員や公務員など厚生年金を支給された経験がある人物に対して支給される年金です。自営業者が入る国民年金の場合は、老齢基礎年金しか支給されません。しかし、厚生年金に加入していると老齢厚生年金と老齢基礎年金を受け取れます。
また、老齢厚生年金を受け取るためには、以下の要件を満たさなければいけません。
- 保険料を納付する期間と免除する期間を合わせて受給資格期間が10年以上あること
定年前まで会社勤めをした経験がある方は、老齢厚生年金を理解しておきましょう。
60歳以上の働くシニアにイチオシの職種5選!
60歳以上の働くシニアにイチオシの職種として、以下の5つを紹介します。
- コールセンター
- 清掃員
- 販売員
- 軽作業スタッフ
- 飲食店
60歳以上になって新しい仕事を始めてみたいと思ったものの、シニアがどのような職種で働いているのか分からない方も多いのではないでしょうか。自分に合った職種選びをしてください。
コールセンター
コールセンターは体力的な負担の軽さやシフトの融通が利く点から、シニア世代にイチオシな職種といえます。職場によっては2時間に1回の休憩を設けている場合も多いため、体力に自信がない方でも安心して働けるでしょう。
シニア向け求人のなかではコールセンターの募集も多く、求人を探すのにさほど苦労はしません。コールセンターの仕事はお客さんとのコミュニケーションが大切なので、人と話すのが好きな方にイチオシな仕事といえるでしょう。
清掃員
清掃員は、商業施設や公共施設、オフィスビルなどさまざまな場所を掃除する仕事です。仕事をするのに一定の体力は必要であるものの、自分のペースに合わせて黙々と仕事ができるので、人とコミュニケーションを取る対人関係能力があまり求められません。
ただ、場所によっては清掃の手順や方法などが細かく定められている場合があり、覚える仕事の多さに大変さを感じる方もいるでしょう。清掃員は、対人関係があまりなくて働ける仕事を探している方にイチオシです。
販売員
販売員は、アパレルやコスメ、食品などさまざまな商品をお客さんに販売する仕事です。販売員は基本的に立って仕事をする必要があり、お客さんの対応や品出し、レジなど多種多様な仕事内容が求められます。
したがって、腰を痛めている方や立ち仕事が辛く感じている方にとっては販売員の仕事は不向きです。ただ、適度に体を動かしつつお客さんとコミュニケーションを取りながら働けるため、人と関わるのが好きな方にイチオシな仕事といえるでしょう。
軽作業スタッフ
軽作業スタッフは、倉庫や工場で梱包・仕分けの仕事などをする必要があります。軽作業の仕事は単純作業が多く、仕事未経験でもすぐに仕事内容を覚えられるでしょう。
特にシール貼りや仕分け業務がシニア世代に適しており、一連の作業を繰り返し行うので、一定期間集中して作業に取り組めます。軽作業スタッフは、一つの仕事をコツコツこなすのが得意な方や集中力が高い方にイチオシです。
飲食店
飲食店は未経験者歓迎の職場が多いため、シニア世代でも挑戦しやすい仕事です。マニュアルが完備されているので、どのように仕事に取り組めばよいのかが分かりやすく仕組み化されています。
お店によっては賄いの支給もあるため、食費を浮かせられます。ただ、飲食店は傾向として若者が働いている場合が多く、職場に馴染むのに苦労しやすいです。飲食店は、少しでも食費を浮かせたい方にイチオシしたい仕事です。
60歳以上の働くシニアが求人を探す方法
60歳以上の働くシニアが求人を探すための具体的な方法は、以下の3つです。
- シニア向け求人サイト
- ハローワーク
- 再雇用
60歳以上のシニアが自分に合った職業を探すには、さまざまな方法があります。自分に合った方法を実践し、働きやすい職場を見つけましょう。
シニア向け求人サイト
シニア向け求人サイトとは、高齢者向けの求人が中心に掲載されているサイトです。通常の求人サイトを利用すると年齢が若い求職者が採用される傾向にあるため、シニアの求職活動には適していません。
しかし、シニア向けの求人サイトの場合は高齢者の人手を多く求めているので、安心して利用できます。どのシニア向けの求人サイトを利用すればよいのか悩んでいる場合は、シニア向け専門求人【PR市場】を積極的に利用するとよいでしょう。
【PR市場】では、自分が求めている給与もしくは業務形態などを求人検索できるため、効率的な転職活動ができます。
ハローワーク
全国300か所のハローワークには「生涯現役支援窓口」が設置されており、シニア世代の方を採用している企業の情報を受け取れます。そのため、自分はどのような企業に向けて求職活動をすればよいのか理解できるでしょう。
またハローワークはシニア世代の方に向けて、履歴書や職務経歴書の書き方や面接の受け方などの各種ガイダンス、職場見学などを実施しています。そのため、久しぶりの転職活動でも安心して利用できるでしょう。
ほかの求職方法では、履歴書や職務経歴書の書き方、面接の受け方などを教えてくれる場合は少なく、自分で練習をしなければいけません。ハローワークの場合は専門講師が教えてくれるため、転職活動に対して不安を感じにくいのも魅力の一つです。
再雇用
退職した会社に再雇用する方法もあります。再雇用とは、60歳を超えて定年を迎えたあとも、同じ企業で継続して雇用される「継続雇用制度」のうちの一つです。雇用形態や業務内容、賃金水準が変わる可能性は高いですが、慣れた職場で働き続けられます。
ただ、再雇用した多くの場合は1年間の雇用契約でかつ、契約社員もしくはパートタイムで勤務するのが一般的です。多少収入が低くても慣れた職場で働き続けたいのであれば、事前に上司に相談しつつ再雇用の利用を検討するとよいでしょう。
まとめ
働くシニア世代は、社会保険や配偶者制度、在職老齢年金などの用語を理解したうえで求職活動をした方がよいでしょう。
さまざまな制度を認知しつつ働くことで、貰えるはずの年金が減額されるリスクの軽減ができるためです。 また、60歳以上のシニア世代には、コールセンターや飲食店などの求人がイチオシです。 さまざまな方法で求職活動をし、効率的に自分に合った職場を探してください。
シニア向け専門求人【PR市場】の利用を検討している方は、ぜひお問い合わせしていただけますと幸いです。
Q1.働くシニア世代が増えている理由は?
A1:安定した生活を送るためや定年後に楽しい生活を送るための資金が必要など、さまざまな理由があります。
Q2.シニア世代が仕事に活用できる強みは?
A2.人生経験やコミュニケーションスキル、勤務時間の柔軟さがあります。