シニアとシルバーって何歳から?高齢者の年齢や定義・違いを解説!

公開:2024/06/17 更新:2024/06/17
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日本では高齢者を意味する言葉として「シニア」や「シルバー」が使われています。しかし、それぞれ何歳を表しているのか、言葉の由来は何なのかはっきりと記されてはいません。


今回は「シニア」や「シルバー」の年齢と由来、シニアが利用できる国の制度を解説します。お得なサービスやシニア世代の仕事事情も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

シニアとシルバーの違いは年齢だけ?

高齢者を表す言葉として「シニア」や「シルバー」が使われていますが、何歳からなのかは明確には定まっていません。

組織名 定義内容
国際連合(United Nations) 60歳以上が高齢者
世界保健機関(WHO) 65歳以上が高齢者
日本の厚生労働省 (WHOの見解に従って)
65歳以上が高齢者
日本老年学会 65歳〜74歳は准高齢者
75歳〜89歳は高齢者

上記のように、国や組織によって高齢者の年齢や定義が異なります。

ここからは、シニアとシルバーの違いについて解説します。

「シニア」って何?

「シニア」は英語の「senior」をカタカナに置き換えた言葉です。先輩・年上・上位といった意味がありますが、日本では「高齢者」といった意味で使われます。

また、年長者・上級生といった意味でも使われるため、中学生を対象とした野球チームは「シニアリーグ」と呼ばれています。15歳以上のフィギュアスケートも「シニアクラス」と呼ばれ、スポーツ界でも使用されている言葉です。

一般的には「高齢者」よりも「シニア」の方がポジティブなイメージがあるため、日本でも広く使用されています。

「シルバー」って何?

「シルバー」は英語の「silver」をカタカナに置き換えた言葉です。元の意味は「銀」「銀製品」ですが、日本の場合は「高齢者」といった意味で使われます。

シルバーが高齢者を表すきっかけとなったのは、1973年に障害者・高齢者用として設けられたシルバーシートです。銀色の生地が使用されていたことからシルバーシートと呼ばれるようになりました。やがてシルバー=高齢者のイメージが定着し、シニア同様高齢者の意味として使用されるようになりました。

シルバーも何歳からといった明確な定義はありません。しかし、シルバー向けのサービスが、65歳以上の方に利用されるため、「シルバー=65歳」のイメージが一般的です。

「シニア」にはさまざまな種類がある

高齢者を指す「シニア」にもさまざまな種類があります。

  • アクティブシニア
  • ディフェンシブシニア
  • ギャップシニア
  • ケアシニア

それぞれ解説します。

アクティブシニア

アクティブシニアとは、年齢にとらわれず趣味を楽しんだり、仕事を続けたりなど意欲に溢れるシニアです。

旅行やスポーツなどに興味があり、何事にもチャレンジする姿勢を持っています。趣味や交流を通じて社会的な関わりを大切にするため、頻繁に外出する点が特徴です。経済的にもやや余裕である場合が多いため、シニアのなかでは特に出費が多い傾向にあります。

ディフェンシブシニア

ディフェンシブシニアとは、健康で時間に余裕がある一方、消費にはやや消極的なシニアです。

アクティブシニアと同様、趣味や仕事など活動する意欲はあるものの、大きな出費を避ける傾向にあります。年金以外の収入が乏しく家族の扶養に入っている場合、贅沢品や娯楽よりも生活必需品に関心を持つ点が特徴です。

ギャップシニア

ギャップシニアとは、介護が必要ではないものの健康状態や将来に不安を抱いているシニアです。

通院するほどではなくても身体機能の衰えにより生活に影響を与えています。「したいこと」と「できること」のギャップを感じている傾向にあり、物事を諦めがちな点が特徴です。

また、不安や孤独を感じていたとしても、シニアが利用できるサービスの情報を集めようとしない方が多い傾向にあります。時間経過とともに要介護状態になる可能性もあるため注意が必要です。

ケアシニア

ケアシニアとは、自治体から要介護認定を受けているシニアです。

一人での生活が困難で家族や医療従事者、介護スタッフからのサポートを受けています。収入源は年金のみ、または国や行政の制度を利用している場合が多いです。介助やサポートを受ける度合いはケアシニアでも大きく変わってきます。家族の負担を考え、介護施設に入所している方も多いです。

シニアやシルバーが利用できる制度・サービス


高齢者であるシニアやシルバー世代の方が利用できる国の制度や知っておくべきルール、お得なサービスがあります。

  • 年金制度(老齢年金)
  • 介護保険制度
  • 後期高齢者医療制度
  • 道路交通法(高齢者マーク)
  • 定年後再雇用制度
  • シルバー人材センター
  • レジャー・買い物などのシニア・シルバー割
それぞれ解説します。

年金制度(老齢基礎年金)

年金制度(老齢基礎年金)とは、65歳以上の方で保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した受給資格期間が、10年以上ある場合に受給できる制度です。20歳から60歳までの40年間で国民年金や厚生年金の加入期間などで金額が変動します。

年金の受け取りは原則65歳からです。しかし、早期に年金を受け取れる繰上げ受給や、増額した年金を受け取れる繰下げ受給もあります。変更を希望する場合は申請が必要です。

介護保険制度

介護保険制度とは、社会全体で介護を必要としている方に費用を給付する制度です。

介護保険料の支払い義務は40歳から始まります。制度を利用できるのは要介護・要支援の指定を受けた65歳以上の方です。介護保険を利用すると、訪問介護や訪問介護などの介護サービスを利用した費用の一部を保証してもらえます。

介護保険がスタートしたきっかけとなったのは、年々深刻化する高齢化問題です。かつては親の介護は子どもが行っていましたが、少子化も進み家族だけで介護を担うのが難しくなりました。介護保険制度は介護を受ける方だけでなく介護をする家族も支援する制度といえるでしょう。

後期高齢者医療制度

後期高齢者医療制度とは、75歳以上の方が利用できる公的医療保険制度の一つです。

医療制度は年齢関係なく利用できる制度ですが、病院窓口での負担額が異なります。

  • 6歳まで:2割負担
  • 69歳まで:3割負担
  • 70歳から74歳まで:原則2割負担
  • 75歳以上:原則1割負担
75歳になると仕事の有無にかかわらず、今まで加入していた医療保険から自動的に後期高齢者医療制度へ加入されます。

また、65歳以上74歳までの方で障害があり後期高齢者医療広域連合から認定を受けた方も利用できる制度です。

道路交通法(高齢者マーク)

高齢者マークは1997年に75歳以上のドライバーを対象に道路交通法改正により導入された制度です。

2002年に75歳から70歳以上のドライバーに引き下げられましたが、70歳以上の高齢者が車を運転する際は高齢者マークを表示するよう推奨されています。75歳以上の高齢者は表示義務、75歳までは努力義務になるため罰則はありません。

高齢者マークの表示でまわりのドライバーも注意して運転するだけでなく、自分自身も自分の年齢を自覚して安全運転を心がけることができます。身体機能低下などにより運転に不安を感じる方は積極的に高齢者マークを表示するよう心がけましょう。

定年後再雇用制度

定年後再雇用制度とは、定年した従業員が退職後、同じ企業と再び雇用契約を結ぶ制度です。

定年後再雇用制度が導入された背景として、企業の人員不足や少子高齢化があります。定年は60歳まででしたが、高年齢者雇用確保措置により定年が引き上げられました。まだ働ける高齢者を雇うことで、人員不足の解消や採用・コストにかかるコストを削減できます。

定年前とは違う業務や、嘱託社員・パートなど雇用形態が変わる場合もありますが、今まで慣れ親しんだ企業で再び働くことが可能です。転職活動をしなくても働けるため、退職後すぐに働きたい方におすすめの制度といえるでしょう。

シルバー人材センター

シルバー人材センターは都道府県知事の許可を受けた公益法人であり、市区町村単位に設置されている組織です。登録した高齢者に仕事を提供し、地域社会の活性化や福祉の貢献を目指しています。

原則として60歳以上の高齢者が登録可能です。会費の納入や管轄の市区町村内に住んでいるなど条件があるので登録前に確認しましょう。

主な仕事内容は事務作業や軽作業、専門的な作業です。高齢者でも無理なく働ける仕事ばかりですが、具体的な内容はセンターごとによって異なります。退職したけど働く意欲がある方、仕事を探している高齢者に利用してもらいたいサービスです。

レジャー・買い物などのシニア・シルバー割

近年、60歳や65歳など条件を満たした高齢者にお得なサービスを提供している企業が増えてきました。「シニア割」や「シルバー割」などと呼ばれ、公的施設だけでなくレジャーや観光地、公共交通機関でも提供されています。

お得に利用できるだけでなく、いつもは行かない場所へ足を伸ばしたり、新しいことに挑戦したりなど、毎日を充実させることが可能です。年金暮らしで消費を控えているディフェンシブシニアにはピッタリのサービスでしょう。

また、身近なスーパーやレジャーなどのサービスのなかには、55歳でもシニア割・シルバー割として利用できるサービスもあります。興味がある方は利用できるか確認し、お得に利用しましょう。

シニア・シルバー世代の転職事情

シニア世代向けの求人数や未経験可の採用枠は、20代・30代の若年層に比べると少ない傾向ですが、シニアでも転職できる可能性は十分にあります。

近年ではシニア向けの求人サイトや50歳以上の採用のみを掲載している求人サイトもあるため、仕事が探しやすくなりました。こだわりの条件や雇用形態でも検索できるため、ミスマッチも少なくなるでしょう。

シニア世代は正社員だけでなく、パートやアルバイト、フリーランスで働く方も多いです。第2の人生として未経験の仕事に挑戦する方もいます。長く続けるためにも自分に合った仕事を選びましょう。

まとめ

日本では高齢者を65歳からと定義していますが、シニアとシルバーは何歳からなのか、明確な定義については定められていません。

シニアにもさまざまな種類があり、健康でアクティブな方もいれば介護が必要な方もいます。どのような生活を送っているかによって利用できる国の制度も異なるため、自分が該当するか確認しましょう。自分だけでなく家族の負担も軽くなる可能性があります。

仕事をする意欲がある方は、シルバー人材センターやシニア向け求人サイトを活用しましょう。シニア専門求人「PR市場」では、全国の60歳以上を対象にした求人が掲載されています。シニア・シルバー世代でも仕事をする意欲がある方はぜひ活用してください。

【Q&A】

Q:シニア割・シルバー割が使える施設は主にどういう場所ですか?
A:特に多いのが映画館やスーパー・ジム・遊園地・美術館など多岐にわたります。タクシーやバスでもシニア割・シルバー割を行っている場合があるため、施設や交通機関のサイトで確認しましょう。

Q:高齢者ドライバーですが、高齢者マークを表示する前にきちんと運転できるか不安です。
A:場所にもよりますが、自動車教習所では高齢者講習を行っています。運転技能検査や認知機能検査も行われるため、免許の更新の前にドライバーとして運転してもよいか確認が可能です。個人指導も受けられるため、自分の運転を見直すよい機会になるでしょう。
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