65歳まで働く際の注意点は?メリットやデメリットを徹底解説!

公開:2024/03/22 更新:2024/03/22
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「65歳まで働くなら何に気をつければよいのだろう」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。


結論としては、65歳まで働くには長期間働くスキルを取得したり、今後訪れるライフイベントを把握したりとさまざまな点に注意する必要があります。


しかし、具体的に何をすればよいのかわからず、不安に感じている方も多いかもしれません。そこで今回は、65歳まで働く際の注意点や働くメリット、デメリットについて解説します。


本記事を読めば、65歳まで働く際に気をつけるべき内容が把握できるため、安心して働けるようになるでしょう。65歳まで健康的に働くためにぜひ参考にしてください。

多くの会社は65歳まで働ける


多くの会社は働く年齢に制限を設けている場合が多いですが、希望すれば原則65歳まで働けます。企業は、高齢者雇用安定法により、65歳以上の従業員の雇用を確保する義務があるためです。

実際に2019年度の「高齢者の経済生活に関する調査」の「何歳まで収入をともなう仕事をしたいか」の問いに対して「65歳まで」が25.6%と多かったです。法律で定められているだけでなく、多くの高齢者が65歳まで働くことを希望しています。


ただ、高齢社会白書によると年々60歳以上の就労率は上昇しているため、今後雇用確保の義務年齢が上昇する可能性があります。

個人事業主や会社経営者など働く年齢に上限のない労働方法も存在するので、自分の身体が動くまで働きたい場合は自由な労働形態を選ぶとよいでしょう。

65歳まで働く際の注意点は?


65歳まで働くためには、以下の4つの注意点に気をつける必要があります。
  • 理想のライフプランの実現に必要なお金を計算する
  • 健康面に気をつける
  • 長期間働けるスキルを身につける
  • 就業規則を確認する
ここで解説した内容を参考にし、安心して65歳まで働ける環境を構築しましょう。

理想のライフプランの実現に必要なお金を計算する

自分が思い描く不自由のないライフプランには、定年退職や介護、年金受給開始などお金に関連するイベントがあります。そのため、実現にどれくらいの収入があり生活にはいくらかかるのか試算しておきましょう。現在の貯金や不足金から逆算すれば、働く期間の目途が付きます。

病気にかかったときの医療費や長生きによる老後資金の枯渇、物価上昇による資産価値の目減りなど老後に発生する経済的リスクに対する備えも必要です。やみくもに働いて体調を崩さないように、無理なくどれくらい働けば老後を過ごせるのか計算しましょう。

健康面に気をつける

65歳まで働くためには、適度な運動やバランスのよい食事などを継続的にして健康管理に気をつける必要があります。年齢を重ねていくにつれて体の機能が衰えたり、体調を崩しやすくなったりするため、働きたくても働けなくなる恐れがあります。

健康面に気をつければ、医療費や介護費用の削減にもつながるでしょう。効率的に貯蓄するためにも、健康面に常に気をつけながら労働時間の確保をしてください。

長期間働けるスキルを身につける

需要が高い専門的なスキルを取得すれば、長期間必要とされやすくなります。たとえ未経験の職種でも資格を取得しておけば、仕事に対する前向きな気持ちをアピールできます。

また、ハローワークでは受講費を全額もしくは一部負担してくれる教育訓練給付制度もあるので、自ら費用をかけることなくスキル取得が可能です。特にITスキルを取得すれば、家計管理や行政サービスもアプリで利用できるため、日常生活で役に立ちます。

就業規則を確認する

現在働いている会社での再雇用を希望している場合は、就業規則を確認しましょう。企業が60歳以上の従業員を雇用する際は、一度退職扱いにして退職金を支払ったあとに新たな契約を結ぶ再雇用制度を導入している場合があります。

再雇用制度を導入している場合は、以前よりも労働条件の悪くなる可能性があるので、トラブルにならないように以下の6つの項目を就業規則で確認しましょう
  • 雇用形態
  • 労働条件
  • 契約更新期間
  • 賃金
  • 各種手当
  • 有給休暇
これらの項目を確認したうえで現在の会社で働き続けたいと思った方は、再雇用を受け入れてください。

65歳まで働くメリットやデメリット


65歳まで働くメリットとして、以下の2つが挙げられます。

65歳まで働くメリット

説明

健康保険料の負担が軽くなる

会社員として働けば健康保険料の支払いは半額だが、60歳で退職した場合は健康保険料を全額支払う必要がある

受け取れる厚生年金が増える

厚生年金は原則70歳まで加入できるため、65歳まで働き続けた場合、60歳まで働いた方よりも多くの厚生年金を受け取れる

一方で、65歳まで働くと発生するデメリットは以下の2つです。

65歳まで働くデメリット

説明

再雇用の場合は給料が下がる

高齢者の従業員を雇用すると若手社員と比較して仕事のパフォーマンスが低下する傾向にあるため、給料は下がる場合が多い

いつまでも元気に働けるとは限らない

年々体力や免疫が低下してきているので、頑張って働きすぎたら回復に時間がかかりやすい

上記のメリットとデメリットを把握したうえで、65歳まで働くべきか判断しましょう。

65歳まで働くうえでおすすめの職種内容


現在の会社を退職して転職先を探そうと考えている方は、どの職場を選べばよいのか悩んでいるでしょう。65歳まで働くうえでおすすめの職種内容として、以下の5つがあります。
  • 介護職員
  • 警備員
  • コールセンター
  • マンション管理員
  • 清掃
ここで解説した内容を参考にし、新しい職場探しに活用してください。

介護職員

介護職員は、業務内容によっては無資格でも働けて短時間でのパート勤務が可能な職種です。具体的な業務内容は、食事介助や排せつ介助、入浴介助など支援が必要な方のサポートを行います。

日本は少子高齢化が進んでおり要介護者の人数が増加傾向にあるので、介護職員の求人件数は比較的多いです。利用者を支える力仕事が多いため、体力に自信がある方に適しています。

警備員

警備員は年齢や経験不問の求人が多いので、60歳以上の方でも働きやすい職種です。警備員の主な仕事は施設警備と交通誘導があり、求人内容によって仕事内容が大きく異なります。

施設警備は商業施設やオフィスビルなどの警備業務を行いますが、交通誘導は駐車場での案内を担当します。警備員は、責任がある方や臨機応変な対応ができる方に最適な職種です。

コールセンター

コールセンターは座り仕事なので、60歳以上の方でも健康に気をつけて働けます。また、なかには「お客様対応窓口」を設けて他社に業務を委託する企業もあるため、比較的求人数は多いです。

コールセンターの仕事内容は通信販売の受付からトラブル対応まで仕事内容は幅広く、勤務時間も短時間からフルタイムまで選べます。コールセンターはクレーム対応が多い職種なので、精神力が強い方に適しています。

マンション管理員

マンション管理員はマンション管理会社のパートとして働くのが一般的で、短時間労働ができるので高齢者も働きやすいです。マンション管理員は居住者が住みやすいように環境を整え、入居者の困りごとに対応するためやりがいを感じやすい仕事です。

マンション管理員は、人とコミュニケーションを取ることが好きな方や短い時間で働きたい方に適しています。

清掃

清掃は難しい仕事が少ないため、未経験でも採用されやすい職種です。施設清掃や車内清掃、特定の場所の清掃など働く場所は多岐にわたります。体を動かす仕事ですが、重労働ではないため、高齢者でも働きやすいです。

人とコミュニケーションを取ることが苦手な方や単純作業が好きな方、難しい仕事を覚えるのが苦手な方は、清掃に向いているでしょう。

65歳まで働く具体的な方法


65歳まで働く具体的な方法には、以下の4つがあります。
  • 定年後再雇用制度・継続延長制度を活用する
  • 別の会社に転職して働く
  • パート・アルバイトとして働く
  • 個人事業主・会社経営者として働く
ここで解説した内容を参考にしたうえで、老後の働き方を選択しましょう。

定年後再雇用制度・継続延長制度を活用する

現在働いている会社で65歳まで勤務したい場合は、定年後再雇用制度もしくは継続延長制度を活用しましょう。会社によって再契約や退職金の支払いの有無などが異なっています。

定年後再雇用制度は一度退職金を支払ったあとに再契約しますが、継続延長制度はそのまま勤務可能です。60歳以降も同じ会社で働き続けたいと上司へ伝え、その後指示に従いましょう。

別の会社に転職して働く

ほかの会社へ正社員として転職して65歳まで働く方法もあります。60歳以上の転職は難しい傾向にありますが、今まで培ってきたスキルを活用すれば転職を成功させられるかもしれません。

世の中には、年齢不問の求人が数多く存在しています。ハローワークや求人サイト、シルバー人材センターなどを活用し、自分の適性に合った職場で就職できるように転職活動をしましょう。

パート・アルバイトとして働く

パートやアルバイトなどの非正規雇用として働く選択肢もあります。正規雇用の場合はフルタイムで働く必要がありますが、非正規雇用だと短時間勤務できるので、健康に気を遣いつつ働けるでしょう。

正規雇用のフルタイムで働き続けていたら、体調を崩してしまう可能性があります。なるべく健康的に働きたい方は、パートやアルバイトを検討してください。

個人事業主・会社経営者として働く

個人事業主や会社経営者として働けば、65歳までに限らず好きな年齢まで収入を得られます。正規雇用や非正規雇用とは異なり、自分で勤務時間を決められるので自由な労働が可能です。

最近ではクラウドソーシングと呼ばれる個人が仕事を請け負うためのプラットフォームが用意されているので、未経験者でも努力次第で個人事業主として収入を得られます。

まとめ


多くの会社では65歳まで働けますが、さまざまなポイントに注意して働く必要があります。例えば、理想のライフプランに必要な資金を計算したうえで働かないと、無理をしすぎて体を壊してしまったり介護を受けたいのに資金不足に陥ったりするかもしれません。

本記事を参考にして65歳まで安心して働ける準備をしましょう。シニア専門求人【PR市場】は60歳以上を対象にした求人が数多く掲載されています。

60歳以降に別の会社で転職して働きたい方や今後の働き方が定まっていない方は、シニア専門求人【PR市場】を活用して効率的に職探しをしましょう。

【Q&A】
Q1.60歳以上の転職面接で面接官が知りたいことは?
A1.60歳以上の転職面接では、以下の3つの情報を面接官は求めています。
  • 会社が求めている経験を満たしているか
  • 円滑に業務を遂行できるコミュニケーション能力があるか
  • 入社意欲があるか
60歳以上を採用する場合は即戦力を求めているので、ある程度の経験は必要です。また、円滑に業務を遂行できるコミュニケーション能力がなければ、仕事に支障をきたす恐れがあります。

会社としては採用したのにすぐ退職されてしまうと、コストが無駄になってしまいます。そのため、積極的に採用しているのは、入社意欲が高い人材です。上記の内容を参考にしたうえで、転職面接に挑みましょう。


Q2.働く高齢者はどれくらいの割合でいるのか?
A2.総務省の統計によると、2022年時点で65歳以上の就業者は927万人います。少子高齢化と物価高などさまざまな影響で、年々働く高齢者の人数は増加傾向です。

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