65歳以上が働いている割合は?就職で有利になる資格について紹介!
「65歳以上で働いている人の割合はどれくらいなのだろう」と気になっている方も多いのではないでしょうか。結論からいうと、65歳以上で働いている人は2021年時点で25.1%もいます。
しかし、高齢者で働いている人が、どのような職種へ就いているのかと気になっている方も多いでしょう。今回は、65歳以上で働いている人の割合や就職で有利になる資格について紹介します。65歳以上で働くべきか悩んでいる方は、本記事を参考にしてください。
65歳以上で働いている人の割合は?
総務省統計局の「高齢者の就業」によると、2021年における65歳以上の高齢者の就業者数は909万人です。2021年には、高齢者が働いている割合が19.2%から25.1%まで上昇し、10年間で約6%も増加しました。
特に高齢者のなかで就業割合が高い年代が65〜69歳で、50.3%の方が働いています。また、高齢者の男女別の就業率は男性が34.1%・女性18.2%で男性の割合が多いです。
65歳以上が働いている職種
65歳以上の高齢者で働いている人が最も多い職種は「卸売業・小売業」で130万人、次に多いのが「農業・林業」で104万人、次が「サービス業」で103万人です。
一方、高齢者で働いている人が最も少ない職種は「情報通信業」で6万人、次に少ないのが「金融業・保険業」で8万人であると明らかになっています。高齢者が働く職種には大きく偏りが発生しているといえるでしょう。
65歳以上の平均収入
国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、65〜69歳の平均年収が338万円で男性が423万円、女性が216万円です。また、70歳以上では平均年収が300万円、男性は369万円、女性が210万円であると明らかになっています。
つまり、65歳以上の高齢者は、年齢が上がっていくにつれて収入が低下する傾向にあります。70歳以上での労働を検討している方は、加齢にともなう収入の減少を加味したうえで、働くべきか検討してください。
65歳以上が働いている主な理由
ここからは、65歳以上の高齢者が働いている主な理由として、以下の2つを解説します。
- 雇用年齢が引き上げられている
- 在職改定制度が導入されている
65歳以上の高齢者が働くにはさまざまな理由があります。それぞれの理由を理解し、自身はなぜ65歳以降も働くべきか見つめ直しましょう。
雇用年齢が引き上げられている
65歳以上が働いている理由に、雇用年齢が引き上げられている点が挙げられます。2021年4月1日の高齢者雇用安定法の改正により、65歳までの高齢者の確保が義務化されたため、高齢者が自主的に働きやすくなりました。
実際に企業は2025年4月までに希望する従業員全員が65歳以上まで働けるように「定年の延長」「定年制の廃止」「継続雇用制度の導入」のいずれかの措置が義務化されています。65〜70歳までの雇用確保措置も、努力義務化となっています。
在職改定制度が導入されている
在職改定制度が導入されているのも、65歳以上の高齢者が働いている理由の一つです。2022年4月からは老齢厚生年金をもらいつつ働いている65歳以上の人は、65歳以降に納めた厚生年金保険料が毎年10月からの年金額に反映されます。
今までは会社を退職して老齢厚生年金を脱退しなければ、年金額へは反映されませんでした。しかし、2024年5月現在では年金を受給しつつ働けるので、高齢者の労働意欲向上へつながります。
65歳以上から仕事を選ぶ方法
65歳以上からの仕事の選び方に悩んでいる方も多いでしょう。65歳以上の仕事の主な選び方には、以下の3つがあります。
- シニア向け求人サイトを活用する
- シルバー人材センターで仕事を見つける
- ハローワークを利用する
ここで解説した仕事の選び方を理解し、求職活動へ努めましょう。
シニア向け求人サイトを活用する
シニア向け求人サイトには、65歳以上対象の求人が多く掲載されています。シニア求人サイトを活用すれば、自分のペースで応募手続きが可能です。
応募する求人数や仕事探しの時間も自由に決定できるので、自分の体力に合わせた就職活動ができます。その一方、自分で求人を探さなければいけない手間が発生するのも事実です。
それぞれのメリットとデメリットを比較し、シニア向け求人サイトを利用する判断をしてください。
シルバー人材センターで仕事を見つける
シルバー人材センターで仕事を見つける方法もあります。シルバー人材センターとは、高齢者を対象に職業を紹介する施設です。シルバー人材センターへ登録すれば、単発や不定期の仕事を紹介してもらえます。
シルバー人材センターは60歳以上の高齢者を対象にした施設なので、肉体労働が少なくて働きやすい特徴があります。ただ、紹介できる仕事内容は単発や不定期の仕事が中心なので、安定した収入は得られません。
自分が働きたいタイミングで仕事を紹介してもらいたい方は、シルバー人材センターを利用しましょう。
ハローワークを利用する
ハローワークを利用して就職先を探す方法もあります。ハローワークとは、厚生労働省が管理している職業の紹介をする事業所です。ハローワークには「生涯現役支援窓口」を用意しており、60歳以上の求人が多く掲載されています。
ハローワークを利用すれば、履歴書の作成や面接対策など相談員から就職活動に対するアドバイスをしてもらえます。取り扱う企業のレベルにバラつきがあって、自分の希望する求人が見つかりにくいかもしれません。
安定した収入を得続けたい方は、ハローワークの利用を検討するとよいでしょう。
65歳以上からの就職で有利になる資格
ここでは、65歳以上からの就職で有利になる資格を5種類紹介します。
- 介護福祉士
- マンション管理士
- 宅地建物取引士
- 調理師
- 登録販売者
就職で有利になる資格を取得すれば、就職活動で採用してもらえる可能性が向上します。内定率を高めるためにも、ここで紹介した資格を取得できるように努めましょう。
介護福祉士
介護福祉士は、少子高齢化の現代において需要が高い資格です。介護福祉士として働くには、体力が必要ですが、5年以上の実務経験を積むと、ケアマネージャーの受験資格を得られます。
ケアマネージャーとは、介護を必要とする方々が適切な介護保険サービスを受けられるように、ケアプランの作成や事業者との時間調整を行う資格です。介護福祉士とケアマネージャーの資格を取得すれば、自分に介護が必要になった場合に活用できます。
マンション管理士
マンション管理士は、マンションの管理人として働く場合に有利になる資格です。マンション管理人として働くには、必ず資格を取得しなければいけないわけではありません。
しかし、それぞれマンション管理士の資格取得者を在籍させる必要があるため、一定の需要が見込めます。また、マンション管理士の資格を取得すれば、マンションに関する専門的な知識を習得できるので、マンションを購入する際にも知識を活用できるでしょう。
宅地建物取引士
宅地建物取引士は、不動産会社での就職に有利な資格です。宅地建物取引士は経験や学問不問で受験できるため、65歳以上の未経験の方でも資格を取得できる可能性があります。
不動産の売買や仲介を行うためには、不動産会社の各事務所に5人に1人の割合で宅地建物取引士を在籍させる必要があるので、需要が高い傾向にあります。また、宅地建物取引士の業務はデスクワークが多く、肉体的疲労が少ないので安心して仕事へ従事できるでしょう。
調理師
調理師免許を取得すれば、スーパーや飲食店で働く場合に活用できます。調理師免許を取得していると、資格を取得していない従業員と比較して時給がアップする可能性があり、効率的な資産形成が実現できるでしょう。
また、調理師免許を取得して経験を積めば、自分で飲食店を開業できる可能性があります。将来飲食店経営を行いたい方は、調理師免許の取得を検討してください。
登録販売者
登録販売者の資格を取得すれば、第2種・第3種の一般医療品を販売でき、ドラッグストアや調剤薬局での就職活動を有利に進められます。
登録販売者とは、2009年に薬事法が改正して誕生した一般的医薬品の販売に必要な専門資格です。ドラッグストアでは、登録販売者資格取得者を対象にした求人も多くあり、通常のアルバイトと比較して高い時給で働ける傾向にあります。より高い時給で働きたい方は、登録販売者資格を取得するとよいでしょう。
65歳から就職の面接を受ける際の注意点
65歳から就職の面接を受けるのであれば、さまざまなポイントに気をつけなければいけません。65歳から就職面接を受ける際の注意点として、以下の2つを解説します。
- 適切なマナーや言葉遣いをする
- 今までの経験やスキルを伝える
上記の注意点を理解したうえで、就職面接へ挑みましょう。
適切なマナーや言葉遣いをする
65歳から就職の面接を受ける際は、適切なマナーや言葉遣いを心がけましょう。面接官の方も年下の場合が多いですが、年下であっても相手は採用する立場なので、必ず敬語で話すように気をつけてください。
特に接客業の場合は、ビジネスマナーや言葉遣いに厳しくなる傾向にあります。面接官がフランクな場合でも、言葉遣いが緩くならないように注意したうえで面接を受けてください。
今までの経験やスキルを伝える
65歳から就職活動をする場合は、今までの経験やスキルを伝えるのも大切です。65歳からの就職で期待されているのは、即戦力として働ける能力だからです。
具体的には自分は何を経験し何ができるのかを正直に伝えて、職場で自分の経験やスキルをどのように活用できるのかをアピールしましょう。
例えば、今まで営業のお仕事をしていて飲食店の面接を受けるのであれば、営業で培ったコミュニケーション能力をアピールするのがおすすめです。
まとめ
65歳以上で働いている人の割合は25.2%です。しかし、65〜69歳では50.3%の人が実際に働いています。本記事を参考にして65歳から仕事を選ぶ方法やおすすめの資格などを把握し、就職活動を成功できるように努めましょう。
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【Q&A】
Q1.65歳以上の人で一番多い雇用形態は?
A1.65歳以上で働いている人の多くが、パート・アルバイトなどの非正規雇用です。総務省の「統計からみた我が国の高齢者」雇用形態別の労働者の割合をみると、正社員が24.1%、パート・アルバイトが52.2%となっています。
Q2.65歳以上が働いて得られるメリットは?
A2.毎月一定の収入がある安心感や規則正しい生活ができて健康生活を維持できる、社会とのつながりが得られて満足感を得られるなどさまざまなメリットがあります。