定年退職の挨拶を求められたらどうする?一言例文を場面別に解説

公開:2024/11/30 更新:2024/11/30
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定年退職の際、一言挨拶でどのような内容を話すのか悩んでしまう方もいるでしょう。これまでお世話になった会社だからこそ、きちんとした感謝の気持ちを伝えたいと考える方も多いかもしれません。


定年退職時の一言挨拶は、要点を押さえて簡潔な内容にすると好印象です。そこで本記事では、定年退職時の一言挨拶のポイントや、場面ごとの具体的な例文を紹介します。

定年退職の一言挨拶の基本的なポイント



定年退職の一言挨拶は、いくつかのポイントを押さえてしまえば難しくありません。本章では基本的なポイントについて解説します。

要点を絞って簡潔にまとめる


定年退職の挨拶をする際は、要点を絞って簡潔にまとめるのが大事なポイントです。基本的な流れは「退職日を伝える・仕事での印象的なエピソード・感謝の言葉・締めの言葉」と覚えておきましょう。締めの言葉では、会社や社員の活躍を願う言葉を添えます。

朝礼時や終礼時などは慌ただしい時間帯のため、長くなりすぎないよう配慮も必要です。
前もって特に伝えたい内容やエピソードをピックアップしておくとスムーズに挨拶ができます。

エピソードを交えながら感謝の気持ちを盛り込む


定年退職の一言挨拶で、必ず盛り込みたいのが感謝の言葉です。お世話になった方へ、これまでの感謝の気持ちを伝えるつもりで話すようにしましょう。自身の在職中のエピソードとも絡めながらお礼の言葉を伝えると、聞いている方の心に残る一言挨拶になります。

前向きで明るい内容にする


ネガティブな内容を定年退職の一言挨拶に含めるのは避けたいところです。仮に大変な出来事が多かったとしても、ネガティブな話を聞くのは誰でも嫌な気分になるでしょう。

仕事を通して得られた知見や学びなど、ポジティブな内容でまとめると印象もよくなります。失敗談などを笑いに変えるのもよいでしょう。

また、再就職・再雇用の予定があれば、そちらでの意気込みを盛り込むと前向きな印象になります。

社外の方へ定年退職の一言挨拶をする場合のポイント


社内への挨拶以外にも、取引先などに定年退職の一言挨拶をしたい相手がいる場合もあるかもしれません。

社外の方へ直接挨拶をするときは、相手の業務に差し支えないタイミングを見計らいます。その際は相手に感謝の気持ちを伝えると同時に、後任者を紹介しておくと今後のやり取りもスムーズです。後任者の人柄なども併せて紹介すると、取引先も安心できるでしょう。

【場面別】定年退職の一言挨拶の例



定年退職挨拶の一言の例を、場面別に詳しく紹介します。場面によって挨拶の長さやフランクさの度合いも変わるため、自分が挨拶する場面に合わせてどのような一言にするか考えてみるとよいでしょう。

朝礼・終礼


定年退職の挨拶は、朝礼や終礼の際に一言話す場が設けられるパターンが多くあります。時間が限られている場では長々とエピソードを話すのではなく、感謝の気持ちを含めた簡潔な挨拶が好印象です。

一言例:私事ではございますが、本日無事に定年を迎えることができました。


〇年に入社して以来、嬉しいことも困難なこともたくさんありましたが、精一杯仕事に打ち込んできた△年間でした。これまでご指導いただいた皆様には大変感謝しております。


今後はさまざまな挑戦をしながら、第二の人生を歩んでいく所存です。


皆様のご健康とご活躍を、心よりお祈りいたします。今まで本当にありがとうございました。


送別会


送別会では、これまでの仕事での詳しいエピソードを交えながら話すと、参加者との会話のきっかけにもなります。参加者との関係性によっては、かしこまりすぎずフランクな内容に変えてみましょう。

一言例:本日はお忙しいなか、盛大な送別会を開いていただきましてありがとうございます。


〇年に入社してから△年間、精一杯仕事に打ち込むなかで本当にいろいろな出来事がありました。


特に〇〇の際は△△さんにお力添えいただき、紆余曲折がありながらも無事やり遂げられた(など、印象に残っているエピソード)のは特に印象深い思い出の一つです。


今後は趣味の登山を楽しみながら、第二の人生を楽しみたいと思っています。これまで本当にありがとうございました。


取引先


取引先の方に直接定年退職の挨拶をする際は、相手の業務に支障が出ないよう手短に感謝の気持ちを伝えます。後任者の紹介も同時に行うようにしましょう。

一言例:本日はお忙しいなか、お時間をいただきましてありがとうございます。


私事で恐縮ですが、〇月〇日をもちまして定年退職をすることになりました。


〇〇様には△△の件などで大変お世話になり、本当に感謝しております。


後任につきましては、こちらの〇〇が担当させていただきます。長年この業務に携わっており知識も豊富ですのでご安心ください。


〇月〇日までは私も社内におりますので、何かございましたらご連絡ください。


今後も引き続きよろしくお願いいたします。


定年退職の一言挨拶をメールでするときのポイント



関係者全員に直接定年退職の挨拶に行けるのが一番よいですが、社員や取引先が多いとそれも難しいでしょう。もし直接挨拶に行けない場合は、メールで挨拶をしてもマナー違反ではありません。

メールでの定年退職の挨拶のポイントについて、社内・社外それぞれのパターンごとに解説します。

社内には最終出勤日に送る


社内の方に定年退職の挨拶メールを送るタイミングは、最終出勤日が一般的です。

人数が多い場合はメールを一斉送信しても失礼にはあたりません。一斉送信する場合は、個人情報保護の観点から「BCC」を使用しましょう。「CC」だと送信先のアドレスが受信者全員に見えてしまうためです。

個人的に今後も連絡を取りたい相手がいれば、退職後でも連絡がつく電話番号やメールアドレスを記載し、個別に送るのもよいでしょう。

また、退職後に同じ会社で再雇用される場合は、それも併せて伝えます。

社外の取引先には早めに知らせる


取引先など社外の方に定年退職の挨拶メールを送る際は、遅くとも退職の2週間前までには送るのがベストです。直前だと業務に支障が出る可能性もあるためです。

また、担当者が変わると、取引先とのやり取りにスムーズに行かなくなる可能性も出てきます。そのため、メールで後任者が誰かについても伝えておくのを忘れないようにしましょう。

メールでの定年退職の一言挨拶の例


先に紹介したポイントを踏まえて、メールでの定年退職の一言挨拶の例を社内・社外に分けて紹介します。退職間際になって慌てないためにも、早めに準備しておきましょう。

社内宛のメールはかしこまりすぎない内容にする

社内宛のメールは、かしこまりすぎずに感謝の気持ちを伝える内容にします。


メール例:

件名:退職のご挨拶【名前】


△△部の皆様


お疲れ様です。〇〇部の〇〇です。

このたび、本日をもちまして定年退職いたします。本来であれば直接伺ってご挨拶すべきですが、メールにて失礼いたします。


入社してから〇年間、皆様には大変お世話になりました。今日まで勤め上げられたのは、皆様の支えがあったからこそです。心より感謝申し上げます。


今後も、仕事で培った経験を胸に精進して参る所存です。


最後になりますが、〇〇会社のご発展と皆様のご活躍を心よりお祈り申し上げます。今まで本当にありがとうございました。


社外宛のメールは後任にもきちんと触れる


社外宛の場合は、後任にも触れつつきちんとこれまでのお礼を伝えると好印象です。

メール例:

件名:定年退職のご挨拶 〇〇株式会社 〇〇(氏名)


株式会社△△

△△(氏名)様


いつもお世話になっております。〇〇株式会社の〇〇です。


私事で恐縮ですが、〇月〇日をもちまして、定年退職する運びとなりました。


〇〇様には、これまで大変お世話になりました。改めてお礼申し上げます。


本来ならば、直接ご挨拶に伺うべきですが、メールでのご挨拶となり、お詫び申し上げます。


後任の担当は弊社の□□です。引き継ぎは完了しておりますので、後日改めて□□よりご連絡させていただきます。今後も引き続きご指導のほどよろしくお願いいたします。


末筆ではございますが、貴社と皆様の益々のご繁栄をお祈り申し上げます。誠にありがとうございました。


定年退職の最終出勤日にやるとよいこと


定年退職の最終出勤日は、何かとバタバタしがちです。やるべきことや必要なものをあらかじめ把握し、すっきりと退職できるようにしておくのがよいでしょう。

所属部署や個人的にお世話になった方へ個別に挨拶


定年退職時点での所属部署の社員や、特にお世話になった方には個別に挨拶をしに行くとよいでしょう。その場合は、最終出勤日の午後から夕方頃に行うのが一般的です。

挨拶に行く際は、クッキーやマドレーヌなどの万人受けしそうなお菓子を配ると感謝の気持ちが伝わりやすくなります。お菓子は個包装で、賞味期限が短くないものが理想です。

返却すべき備品や受け取るものを確認


年金手帳や資格喪失証明書など、定年退職にあたって会社から受け取る書類がないか確認しておきましょう。「退職所得の受給に関する申告書」など、会社に提出するべきものは忘れずに出すよう注意が必要です。

健康保険被保険者証や社員証、制服など、会社から貸与されているものは返却します。情報漏洩にならないよう、業務で使用していたパソコンや資料なども置いていくようにしましょう。

引き継ぎ内容の最終チェック


後任者に引き継ぐべき内容がきちんと引き継がれているかの最終チェックも必ず行いましょう。後任者に取引先の連絡先や名前なども漏れなく伝えておきます。詳細なマニュアルなどを作っておくのもよいでしょう。

まとめ


定年退職の際はやるべきことも多いですが、あらかじめどのような挨拶をするか考えておくとスムーズに話せます。これまでかかわってきた社員や取引先の方との関係を今後も円満に保つためにも、感謝の気持ちを込めた一言挨拶を心がけるとよいでしょう。

定年退職後に心機一転して働きたいときは、シニア世代の仕事が見つけやすい「シニア専門求人」で仕事を探すのがおすすめです。


【Q&A】

Q1.定年退職の一言挨拶のポイントは?
A1:エピソードを交えながら簡潔に、前向きな内容にするようにしましょう。朝礼などでの定年退職の挨拶は、時間が限られている場合が多いため、長くなりすぎないよう配慮するのが大切です。

Q2.メールでの定年退職の挨拶は失礼?
A2:挨拶をすべき社員や取引先が多く、直接訪問するのが難しい場合はメールで一言挨拶をしても失礼にはあたりません。複数人に一度にメールを送信する場合は、個人情報保護の観点からCCではなくBCCを使用するように注意しましょう。
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