一人暮らしのシニア女性の食費はいくら?食費を抑えるコツを解説!

公開:2024/08/30 更新:2024/08/30
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一人暮らしのシニア女性にとって、生活費のやりくりは頭を悩ませる大きな問題でしょう。

特に食費は生命の維持に直結しており、削るのが難しいと感じる方も多くいます。しかし、生活費の中でも大きなウェイトを占めている食費をコントロールするのは、生活費全体の抑制にもつながるでしょう。

そこで本記事では、食費を抑えるコツや注意したほうがいいポイントについて解説します。


一人暮らしのシニア女性の割合


まず始めに、一人暮らしのシニア女性はどれくらいいるのかを見てみましょう。内閣府の高齢者白書によると、令和2年には65歳以上で一人暮らしをする方は男性が15.0%、女性が22.1%となりました。


また令和2年に実施された国勢調査によると、60歳以上の女性で未婚もしくは死別・離別した方の割合は以下のようになっています。

年齢 未婚の割合 離婚・死別の割合
60~64歳 8.4% 17.6%
65~69歳 6.4% 21.8%
70~74歳 5.4% 28.7%
75~79歳 4.4% 40.2%
80~84歳 3.9% 56.3%
85歳以上 3.8% 79.9%

これらの割合を平均すると、未婚は5.4%、死別・離別は40.7%となります。このデータにより、60歳以上のシニア女性の半数近くが独身状態であり、一人暮らしの可能性も高いことがわかります。


シニア女性の一人暮らしにかかる食費


では、一人暮らしをするシニア女性の一般的な食費はどれくらいなのでしょうか。


総務省統計局が2023年に実施した家計調査報告によると、65歳以上の単身無職世帯における食費平均は1ヶ月当たり40,103円で、消費支出の27.6%を占めています。1日あたりで計算すると約1,318円となり、一食あたりは約439円ほどになります。


この統計結果は男女を合わせたものですが、一人暮らしのシニア女性の一般的な食費もこれくらいだと考えてよいでしょう。


シニア女性の一人暮らしに必要な資金の目安


シニア女性が一人暮らしをする際は、どれくらいの資金が必要になるのかをあらかじめ把握しておくことが大事です。得られるであろう大まかな収入や生活費の目安を踏まえて、必要な資金額を判断する必要があります。


一人暮らしのシニア女性の平均収入

2023年の家計調査報告によると、65歳以上単身無職世帯の実収入の月平均は126,905円です。


そのうち年金などの社会保障給付は118,230円、事業・内職収入や仕送り金を合わせた収入は8,675円との結果が出ています。これは無職世帯の平均のため、シニア女性でも働いていて賃金を得ている場合は、もう少し収入額が多くなると考えられます。


一人暮らしシニア女性の生活費の目安

引き続き家計調査報告を見てみましょう。65歳以上単身無職世帯の消費支出の平均は、1ヶ月あたり145,430円です。内訳は以下のとおりです。

項目 月平均額
食費 40,103円
住居費 12,564円
光熱・水道費 14,436円
家具・家事用品費 5,923円
被服・履物費 3,241円
保健・医療費 7,981円
交通・通信費 15,086円
教養娯楽費 15,277円
その他の消費支出(交際費など) 30,821円

持ち家ではなく賃貸に居住している場合、住居費はこの結果よりも高くなると考えられます。


また税金などの非消費支出は月平均12,243円で、直接税が6,437円、社会保険料が5,799円です。


ここまで見てきた一人暮らしのシニア女性の収入と支出を比較すると、収入126,905円に対して支出157,673円(消費支出145,430円、非消費支出12,243円)となります。つまり、月平均で37,916円が不足する計算です。


一人暮らしのシニア女性に必要な貯蓄額

上記のような平均的な生活を続けるとすると、毎月不足する約4万円を補うためには10年で480万円、30年で1,440万円が必要です。


それにプラスして住宅のリフォームやローンの繰り上げ返済のほか、体調を崩した際の入院費や老人ホームへの入居費用も考慮しておく必要があります。娯楽がない生活は息苦しいものになりがちなため、旅行や趣味活動に使うお金も考慮したほうがよいでしょう。


以上を踏まえて、何のお金がどれくらい必要になるかをあらかじめ想定しておくと、安心して生活を送れるようになります。必要な金額を貯蓄するためには、身近なところから支出を抑える工夫が必要になるでしょう。


一人暮らしのシニア女性が食費を抑えるコツ


身近な節約のポイントといえば食費です。食費は一つひとつは小さな出費でも、積もり積もると大きな額になりがちです。本章では、そのような食費を上手に抑えるためのコツをご紹介します。


自炊をする

外食をすると、どうしても出費が大きくなってしまいます。外食でなく、自炊を増やすことで食費の抑制が可能です。昨今では節約レシピ本などが数多く存在し、少ない手間や材料でできるものも多くあります。料理に慣れていない場合は参考にするとよいでしょう。


コンビニで買い物をしない

24時間営業のコンビニは便利ですが、スーパーなどのお店よりも値段が割高に設定されている場合が多くあります。魅力的な新商品など、余計なものを買ってしまう可能性もあるでしょう。


コンビニでの買い物は控えて、値段の安いスーパーで買い物をすると食費の節約になります。ポイントカードがあるスーパーなら、貯まったポイントで値引きも可能です。


お菓子などの間食を減らす

お菓子やデザートは、少量でも値段が高めに設定されている場合が少なくありません。毎日食べている方は、週2、3日に減らすだけでも食費を抑えられるでしょう。間食を減らせられれば健康にもいい影響をもたらします。


リーズナブルな食品を使う

季節の野菜や通年で価格が安い食品など、リーズナブルに購入できる食材を中心に使うのもよいでしょう。卵・もやし・豆腐・キノコ類・鶏むね肉などがリーズナブルで使いやすい食材です。これらを上手く組み合わせられれば、食費を抑えながらも満足感のある食事ができます。


冷凍保存を活用する

冷凍保存を活用するのも一つの手です。食材が余った場合は冷凍しておくと腐らせてしまう心配がなく、あとから解凍して使えます。多めに購入して小分けにし、冷凍しておくと買い物に行く回数も減らせるのも嬉しいポイントです。


昨今では冷凍食品も美味しいものが数多く販売されています。レンジやお湯で温めるだけで食べられるので、手軽に食事をとれる点もメリットです。


家庭菜園で野菜などを育てる

家庭菜園で野菜を育てる方も多くいます。市民農園で区画をレンタルしたり、庭の一角に畑を作ったりする方法があります。


畑だとハードルが高いと感じる場合は、ベランダでのプランター栽培も可能です。ミニトマト・ナス・枝豆・香味野菜などがプランターでも育てやすく、料理にも活用しやすいでしょう。


シニア女性が食費を節約する際に注意すべきこと


ここまで食費の節約のコツについてご紹介しましたが、その際には以下に挙げる3つのポイントに注意が必要です。それぞれについて解説します。


健康を害しない程度にする

食費を節約しようとして食べる量を極端に減らしたり、栄養バランスの偏ったメニューばかり食べたりしていると、健康に悪影響が出る可能性があります。


体調を崩すと、通院費や医療費などがかかるため逆効果です。食費を抑えつつも栄養バランスを考えた食事にすれば、毎日元気に過ごせるでしょう。


食費よりも抑えられる支出がないか確認する

日々の出費の中で食費がかさんでいるようなら見直すべきですが、それ以外にもカットできる支出がないかどうかの確認も必要です。


例えば住居費が高額な場合は、より費用を抑えられるところに引っ越すのもよいでしょう。普段の出費を見直した結果、大きな支出の削減につながる場合もあります。


ストレスをためすぎない

節約を意識しすぎると、制限が増えてストレスがたまりやすくなりがちです。


ストレスをためすぎず、あくまで自分が楽しくできる範囲で節約するとよいでしょう。家計簿をつけていくら節約できたか可視化するなど、ゲーム感覚で節約すると長続きしやすくなります。

シニア女性の生活費で意識したいポイント


シニア女性の一人暮らしでは、食費を含む生活費全般のやりくりは悩みの種となりやすいでしょう。本章では生活費を安定させるために、意識しておきたい3つのポイントをご紹介します。


投資などで資産形成をする

もし資金に余裕があれば、投資で資産形成をする方法があります。


NISA(小額投資非課税制度)は小額から金融商品に投資でき、得られた利益は年間の非課税枠の範囲内であれば非課税です。少額の積立投資なら無理なく始められて貯蓄もできるため、いざという時の安心材料にもなります。


年金の繰り下げ受給を検討する

原則65歳から受給する公的年金は、66歳以降75歳までの間に繰り下げての受給が可能です。


受給は一月単位で繰り下げ可能で、繰り下げた期間分だけ受け取れる年金額が増やせます。また、増額は生涯続きます。1ヶ月繰り下げるごとに受給額が0.7%増額し、増額率は最大で84%となるため、余裕があれば繰り下げ受給を検討するのも一つの手です。


再雇用などで働くことも視野に入れる

働いて賃金を得て生活費に使えるお金を増やす方法もあります。定年退職前に働いていた会社に再雇用してもらう・パートやアルバイトで働くなど、賃金を得られて生活にも余裕ができるでしょう。


家事代行・小売店の販売員・清掃スタッフなど、シニア女性でもできる仕事は数多く存在します。パートやアルバイトを探す際は、シニア向けの求人サイトだと探しやすいので活用してみるのもよいでしょう。


シニア女性が生活の不安を減らすためにできること


食費を削って生活費を抑えることは可能ですが、それでも金銭面が心もとなく生活が不安な方も多いでしょう。生活の不安をなくすためにできることを2つご紹介します。


利用できるサービスを調べておく

行政や民間でやっている弁当の配達は栄養バランスが整っているうえに、比較的低価格の場合が多いです。生協など食材を配達してくれるサービスなら、シニア割引で購入できるところもあります。


また、自治体や交通機関の高齢者優待制度でも、割引や優待を多く受けられます。シニア向けの制度を上手く活用すれば、ある程度出費を抑えられるでしょう。


持ち家は資金源になる

持ち家の場合、不動産担保ローンやリースバック、リバースモーゲージなどの制度を活用して持ち家を資金源にもできます。


不動産担保ローンは、土地や住宅等の建物を担保にお金を借りられる金融商品です。リースバックは自宅などの所有資産を売却と同時に借りて住める方法、リバースモーゲージは自宅を担保に生活資金を借入れしつつ、自宅に継続して住み続けられる方法です。


それぞれのメリット・デメリットを踏まえたうえで、利用を検討してみるとよいでしょう。


まとめ


一人暮らしのシニア女性でも、ポイントを押さえれば食費を減らしての生活が可能です。ただ、食費の節約にも限界があります。より生活を安定させるには、アルバイトやパートで収入を増やすのもおすすめです。


シニア専門求人」なら、シニア女性でも働ける仕事を数多く掲載しています。細かく条件を指定して仕事を探せるので、自分に合った仕事が見つけやすいでしょう。



【Q&A】


Q1.一人暮らしのシニア女性の一般的な食費はどれくらいですか?

A1:総務省統計局が2023年に実施した家計調査報告によると、65歳以上の単身無職世帯の食費の平均は1ヶ月当たり40,103円です。1日あたりで計算すると約1,318円となり、一食あたりは約439円ほどになります。


Q2.一人暮らしのシニア女性が食費を抑えるにはどうしたらいいですか?

A2:外食ではなく自炊をすれば食費を抑えられます。食べ物を購入する時は、割高なコンビニではなくスーパーを活用するとよいでしょう。鶏肉やキノコ類などリーズナブルな食材をまとめ買いし、余ったら冷凍保存をすれば無駄なく使い切れます。買い物の回数を減らせば、衝動買いも防げるでしょう。


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